世代も国境も超えて楽しめる、キャラクターの世界観を届けたい

世代も国境も超えて楽しめる、キャラクターの世界観を届けたい

「機動戦士ガンダム」とのコラボ企画が実現。株式会社バンダイアパレル事業部飯塚航也さんにキャラクタービジネスや、BAITとの展望についてお伺いしました。

BAITでリリース直後から人気を博している「機動戦士ガンダム」シリーズとBAITのアパレルコラボ企画。今回、商品化の旗振りとして関わっていただいたのが、株式会社バンダイのアパレル事業部に所属する飯塚航也さんです。バンダイの展開するキャラクタービジネスや、BAITとの今後の関わり方についてお伺いしました。

サンディエゴ店でも大盛況、BAITとの初仕事「ガンダムコラボ」

バンダイに入社して17年になりますが、BAITのことを知ったのは5年ほど前です。メディア部に所属していた頃から、度々、噂を耳にするようになったのを覚えています。独特の世界観、雰囲気ある実店舗に、洗練されたECサイト。「ドラえもん」のライセンス契約を勝ち取るほどの交渉力。斬新な切り口で、影響力のあるブランドやキャラクターを巻き込む企画の数々を見て、いつかご一緒したいと思っていました。

BAITと初めて仕事させてもらったのが、宇宙世紀を舞台とした名作「ガンダムシリーズ」とのコラボ企画でした。2019年のサンディエゴコミコンに向けて、BAITサンディエゴ店では大型ディスプレイなども設置し、フィギュアとTシャツの記念BOXを販売しました。店舗でもイベント会場でも、大きな反響があり盛り上がりました。


記念BOX発売時のBAITサンディエゴ店の大型ディスプレイ

フィギュア +Tシャツの記念BOX

Tシャツやフーディーなどのアイテムは、デザイン素材をバンダイが提供し、BAITのデザイナー陣がBAITらしいテイストで動きや彩りを加える、というスキームで製作されています。


ユニコーンガンダムとのコラボTeeシャツ

いつもと少し違った雰囲気で描かれてたデザインを見て、また別の一面に気づかせてもらえたように感じました。今回のコラボ企画を通じて、これまでリーチできなかった新しい層のお客様にもガンダムの世界観や魅力をお届けできたと考えています。

キャラクターの世界観を多角的に生み出す、バンダイのCMDビジネス

バンダイの事業の根幹を担うビジネスモデルは、キャラクターをコアとしたキャラクターマーチャンダイジング(CMD)で、現在アパレル事業部では年間120以上のキャラクターで商品開発を進めています。玩具の生産販売からスタートした当社のCMDは、その後に模型、菓子、カプセルトイ、カード、アパレル、生活用品にまでフィールドを拡大しました。領域を広げることで、キャラクターの価値を高めてきました。


CORPORATE PROFILE 2020

これまで長年にわたってCMDを進化させてきましたが、大切にしているのはキャラクターの世界観です。そこに託された夢を育む商品開発に取り組む姿勢はずっと変わりません。これは、自社の取り組みだけでなく、協業先と密接なパートナーシップを築き、信頼関係に基づく共同作業を続けてこれたことによって為し得たことだと考えています。

子供も大人も、世代を超えて楽しめるコト

2020年6月から新番組「ウルトラマンZ」が放映されると同時に、劇中に登場する隊員服をモチーフとしたアパレル商品も販売開始されました。

ウルトラマンや仮面ライダーなど、長期で放映されているシリーズ作品は、親子三世代で一緒に楽しむスタイルが浸透しつつあります。昔、子どものころに夢中になったシリーズに想いを馳せるお父さんと、大好きなキャラクターになりきって楽しむ子ども。時計やアクセサリー、コスチュームなどのアパレルは、親子で一緒に楽しめる世界をつくりやすいアイテムだと思います。

私たちの手掛けたアイテムが、親子のコミュニケーションのきっかけになっている光景を見るたびに、「夢を育む商品開発」をずっと大切にしてきて本当に良かったと思います。

国境を越えて、日本発信のカルチャーを届ける

日本と海外では文化・慣習の違いもあり、日本のコンテンツが浸透しにくい時期もありました。例えば、アメリカのヒーロー物語は、主人公自身が強くなって敵と戦うことが多いです。しかし、ガンダムやエヴァンゲリオンなどの日本の作品では、主人公はコックピットに搭乗し、キャラクターを操縦して戦います。海外展開を始めた当初は、それらの違いから演出がハマらないと思われたこともありました。


BAIT サンディエゴ店で行列をつくるファンたち

しかし、地道な活動あってか、各国のアニメファンを中心に多様な背景や演出をストーリーとして楽しむ土壌が少しずつできてきたように思います。多様な価値観を受け入れてもらいやすい環境は、日本国内のクリエーターやその作品にとって、大きな伸びしろとして期待できる点だと思っています。

これまでは「ガンダム」や「ドラゴンボール」など、バンダイの中でも主力となる作品の海外展開を推し進めてきました。今後は日本を代表するコンテンツでありながらも、まだアパレルで協業できていない作品との関係構築を進めていきたいです。世界中のファンに日本発信カルチャーを広め、その心をくすぐるような商品を届けたいと考えています。

某高級ブランドとコラボ?宇宙世紀を舞台にした“高級バッグ”?

今後、実現したいことの1つが、ワールドワイドで展開されている超一流ブランド様と、世界を驚かせるようなコラボレーションです。

例えば、某高級ブランド様と一緒に未来に向けて、宇宙旅行に使える“旅行鞄”というようなコンセプトで一緒にデザイン、モノづくりをしてみたいです。実際に宇宙空間で使えるか別にして。アニメの世界観から、夢のあるメッセージ、世の中が明るくなるような企画を発信できればと企んでいます。

バンダイには新規事業を提案する“未来創出カタパルト”というものがあり、これまでになかった新しいことに挑戦する土壌があります。アパレルだからこそ開拓できるフィールドで、キャラクターの価値を上げる企画を積極的に実施していきたいです。

BANDAI x BAITでファンをワクワクさせる企画を生み出したい

世界的人気を誇るアニメーション映画「TOY STORY」とBAITのコラボで誕生したReebokのシューズをみて、私も興奮しました。WEBでの発信力や、ブランドを巻き込む企画力、交渉力。実店舗とオンラインショップによる最適化されたマーチャンダイズ。BAITには、バンダイにはない魅力があります。

お互いの強みを生かして、これからもファンの心を揺さぶるような企画に取り組み、キャラクターの世界観をより多くの人に届けたいと考えています。

©SOTSU・SUNRISE