2020年に生誕80周年を迎えたBruce lee。截拳道(ジークンドー)を創始したマーシャルアーティストとして香港の道場を営む傍ら、俳優、映画プロデューサーとしてスクリーンでも躍動。「ドラゴン危機一髪」の大ヒットにより一躍、香港のトップスターとして名を馳せた。1973年、くしくも32歳という若さでこの世を去った後に「燃えよドラゴン」の世界的大ヒットにより世界的アクションスターとして広く知られている。そんなブルース・リーの功績を称える数々のシーンのフォトビジュアルを使用したBAITコラボレーションアパレルが登場。
BAITではブルース・リーの魅力に惹かれた1人であり、MC、俳優として活躍される新岡潤によるシューティングを敢行。ブルース・リーに対する想いを語っていただいたインタビューもぜひご覧ください。
ブルース・リーとの出会いはいつのことでしょうか。
小さい頃から周りが野球やサッカーに興味や憧れを抱く中、僕は中国武術、特にカンフーに対して漠然と強い憧れがありました。カンフーを知ることでジャッキー・チェンなど名立たる方を自然と知っていきますが、一番興味を惹かれたのがブルース・リーでした。高校時代に筋力トレーニングを始めた頃に“どうしたらあんな身体になれるのか”といった疑問を持ち、ブルース・リー自身についてより詳しく調べるようになったのがきっかけで、彼の人生や肉体、思想などを知ることとなりました。
ブルース・リーの魅力とは?
ブルース・リーは身体、心の鍛え方などの新しい世界を切り拓いた方だと思っています。僕はやると決めたらやる、後先考えずに実行することが多いので、他人の意見にあまり左右されないのですが、「燃えよドラゴン」の作中に出てくる名ゼリフ「Don’t think. feel」については毎日のように考えています。
例えば「これが欲しい」と言った欲しいという衝動や、逆に考えすぎて要らなくなるモノ、行動に至らないことなどが身近にはあると思います。会議一つにしろ、会議準備に時間をかけるのではなく、一度やってみた方が反省材料が見えたり経験が付くはずです。
ブルース・リーが言う“考えるな、感じろ”はそういった衝動だったり、感じたまま自分の感覚で良し悪しを瞬時に判断し行動した方が自分を高められると教わった気がします。
ブルース・リーの名言には他にも「私は一万種の蹴りを一度だけ練習した男は怖くないが、一つの蹴りを一万回練習した男は恐ろしい」という言葉があります。
これを知識と経験に置き換えると、今の時代では数ある知識を得るより、時間が限られた経験をすることの方が難しい、そうすると経験の方が圧倒的に価値が高いと僕は思っています。こうした言葉から、人生のアドバイスを得られることもブルース・リーの大きな魅力ですね。
ブルース・リーに出会い、新岡さん自身のライフスタイルなどに影響されたことはありますか?
ブルース・リーは小柄かつ体重は60㎏後半~70㎏前半と言われていましたが、ジークンドーのワンインチパンチはボクシング等のパンチとは異なる全身の重みを使って打ち大男を飛ばすほどのパワーを持っていたり、トレーニングの中で一番大事にしていたことがコア(インナーマッスル)を鍛えることだったこともあり、腹筋の方法一つにしてもドラゴンフラッグという独自の腹筋トレーニングを用いていたり、ブルース・リーだからこそ洗練されたトレーニングや技があると思っています。
「日々何かを増やすのではなく、日々何かを減らすのだ」というブルース・リーの言葉にもあるように、僕もヘアスタイルやファッションがシンプルになってきていること、トレーニングは懸垂とランニングしか行っていないことなど、洗練されたことが好きなこともあり影響は強く受けています。
仕事面でもプロバスケットリーグのマネージャーを辞めてからは好きなことを全部やってみようと服を作ってみたり、イラレ、フォトショをいじってデザインを制作してみたり、興味があることは何でも行いました。そこから好きなこと、大好きなこと、愛せることとどんどんソリッドされていき、MCと役者という仕事に辿り着きました。
そうした意識を持って、色んなことがそぎ落とされ形成されてきましたが、ブルース・リーはこういうことを常に言っていた、残してきたと思うとやはり偉大だなと感じます。
今回のBAITコラボアイテムについての感想を教えてください。
ブルース・リーのグッズやブートTEEはよく見かけますし、先日Nike Kobe V Protroのコラボシューズが発売されるなどはありましたが、こんなレジェンドなのにオフィシャルのアイテムとは中々出会うことができませんでした。そんな中、ブルース・リー自身も1960年代半ばにロサンゼルス・カルフォルニアに在住していたそうで、カルフォルニア発のブランドBAITからオフィシャルアイテムが出るのは個人的にとても嬉しいです。
プロダクトの前にアイテムが制作された経緯などによく注目するので、Nike Kobe Vのコラボレーションに見られる、ロサンゼルスを拠点とするコービー・ブライアントが影響を受けていたであろうブルース・リーとのコラボシューズにしろ、そうしたプロセスをしっかり持ったアイテムにはとても惹かれます。
BAITは色んなヒーローにフォーカスしたアイテムが揃っていて、店頭を見たときに感じたのですが子供心を呼び起こす力があると思います。考える前に行動していたあの頃や忘れたくないあの時の感動など、まさにブルース・リーが言う“考えるな、感じろ”を体現しているブランドですね。
着用させていただいた、クルースウェットのバックプリントは各作品を模ったような贅沢なデザインですね。LEGEND TEEは“レジェンド”という言葉が頻繁に消費され言葉の重みが無くなってきている中でも、この言葉が並んで納得できるブルース・リーだからこそBAITの真剣さを感じます。
Punch Box Teeはレジェンドにも通ずる部分ですが、シンプルにブルース・リーの写真だけでデザインとして成立するのがインパクトありますね。彼が成し遂げてきた作品や歴史を落とし込むことがフォトTEEとしてのカッコよさだと思います。
今後のご自身の展望についてお聞かせください。
コロナ過に入り、デビュー作はラストシーンの撮影が延期となり2021年に撮影再開、その後公開となってしまいました。MCやモデルなど様々な仕事をさせていただく中でも役者として高めていきたい想いが強いのでコロナとも共存しながら、役者としてこの1歩を来年は大きくしていきたいですね。
僕は2021年でブルース・リーが亡くなった年齢と同じ32歳を迎えます。彼が積み上げてきた32年間と自分の32年間を振り返りながら、33歳になる際には今までの経験が活かされたなと全てが肯定できるような1年間にしたいです。
プロバスケットチームのマネージャー、MC、クリエイティブのディレクションなどの経験を一万種の蹴りと例えたならば、僕は一万種の蹴りを見て一つの蹴りを今ようやく見つけられました。今ここから、一万回蹴るための一回目を蹴り始めたと思っているので、ここからまた奮闘し続けます。
新岡潤 – Jun niioka
B.LEAGUEアル バルク東京でのマネージャー経験から、スポーツイベント、ファッションイベントのトークショーMCや実況・解説、インタビュワー・ライターとして活動する傍ら、2020年から映画出演をきっかけに俳優やモデルと、幅広く活躍の場を広げている。
Twitter : @JunNiioka
Instagram : @junniioka/